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見事にだらけたその姿は、さっき飲み会のときに見たスーツのままうつ伏せになっていた。
顔だけこちらに向けて彼女は言う。
「どうしたの?」
「いや、だって。あれ? なんで僕の家に???」
「だって直接の方がいいって言ってたじゃん」
「いや、言ったけど……」
突然目の前に現れたら誰だってビックリする。
彼女は起き上がった。
ゆっくりとこちらにくるが、靴は履いたままだった。
僕のベッドまでくると、顔を近づけてこう言った。
「好きだから、家まで来たんだよ」
そう言って隣に腰かける。
距離が近い。
思わず顔を背けてしまった。
ヤバイ、どうしよう。
でも、こんなチャンス二度と無い。
僕も思い切って伝えようとして振り向いて。
「あれ?」
彼女がいない。
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