真夜中の向こう側

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真夜中眠れず、何となく彼女はパソコンを立ち上げた。 休みの前の日なのに明日の予定は何も無し。 退屈だなと思った彼女は、何気なしにキーボードを叩く。 私、何が好きだったんだっけ? ふと彼女は思いを馳せる。 そういえば、私英語に興味があった。 小さい頃はいつか自分に青い目の王子様が白馬に乗って現れて、そのままずっと王子様と一緒に幸せに暮らすと思っていたなぁ。 彼女は小さい頃夢見ていた事を、ぼんやりと思い出した。 思い出した瞬間、自動的にキーボードを叩いていた。 英語 外国人 出会い キーワードを入力すれば、すぐに何でも検索できる。 パソコンの画面には検索結果がすぐさま表示され、彼女はポチッとマウスをクリックした。 簡単な登録をすれば、すぐにオンライン中の相手とチャットが出来るサイトを見つけ、彼女は登録をする。 同じ地域に住む、写真ありの相手を眺めていると、彼女が幼い頃思い描いていた王子様がそこにはいた。 しかも彼は現在オンライン中。 普段ならば自分から行動する事を苦手としていた彼女だが、その時は違っていた。 すぐさま彼の名前をクリックしてチャットをスタートさせた。 もしかしたら、この出会いで平凡な毎日が変わるかもしれない。 彼女は胸の鼓動を抑えきれなかった。 すぐに彼から返事が来る。 拙い彼女の英語と、拙い彼の日本語をおりまぜながらなんとか会話は続いた。 日本語を覚えたいという彼は明日休みだと言う。 彼女はこれは運命だと思った。 彼女も明日は休みだから、予定がなければカフェで日本語の勉強をしないかと誘うと、彼から即座にオッケーの文字。 彼女の心は躍った。 この出会いの為に自分は生きていたんだ。 急いで明日会う場所と時間を決め、お互いの連絡先を交換しチャットは終了した。 胸の高鳴りを未だ抑えきれない彼女。 明日、どんな服を着ていこうか、どんなメイクをしようか彼女は悩む。 明日、ちゃんと彼は来てくれるのか、その不安も多少あった。 大丈夫、明日写真通りの彼が待ち合わせ場所に来るよ。 青い目をした美しい外見だけれども、悪魔のような本性の彼が。 彼女はまだ知らない、その後何が起こるのかも。 真夜中の寂しさにはご用心。
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