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夏希ちゃんは背後から呼び掛けてきた。
「……晶さん…」
「なに」
「もう一個鍵があるよ…」
「どこに?」
「欲しい?」
「どこの鍵?…」
「先に欲しいって言って」
夏希ちゃんは後ろから抱き締めながらお尻に何かを密着させてくる──。
「………」
「晶さんのここの鍵。俺のでしか開かないでしょ?」
「……そだね」
半分呆れながらもおかしくて口が緩む。そう言ってあげた途端に夏希ちゃんのそこはムクムクと当たりが大きくなっていた。
後ろから抱き締める腕に力を込めると夏希ちゃんは耳元で囁いた。
「今から鍵差したらだめ?」
「距離は置かないの?」
「……俺には無理みたい」
「………夏希ちゃんこの手の諦めは早いよね…」
あたしの言葉にウッと詰まりながら夏希ちゃんは後ろから抱き締めたまま頭をグリグリ擦り付けてくる。
「だってこの間から俺、結構我慢してるじゃんっ──…晶さんの様子おかしいから無理強いしないようにかなり我慢してるじゃんっ…」
たしかにここ数日の夏希ちゃんは隣に居ても抱き締めてくれたまま眠るだけだった。
「キスだってしたいけど、したら我慢できなくなるからそれだって我慢してたじゃんっ…ちょっとは男の気持ちとかわかってよ!?…言っとくけど俺、まだ若いよ?」
「わかってるよ」
「わかってるなら冷たいことしないでよっ…」
半分泣きが入ってるように訴えてくる。
あたしの前にいるこんな時の夏希ちゃんは、どうしょうもないくらいにみっともなくてカワイイ…
他の彼女達はこんなカッコ悪い夏希ちゃんを見たことがあるのだろうか──
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