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しかし、音が聞こえた日の次の夜は、何も聞こえなかった。その次の日もだった。どうやら、毎日聞こえてくるものではないらしい。これは、頭に書き留めておくべき特徴のような気がした。
そして、おねしょをした日から四日後だった。再び、あの音が聞こえたのだ。
発生源はわからない。微かな音だった。おまけに、なぜか、周囲へ漏れ聞こえないように、取り計らっている意図が感じ取れた。
すなわちそれは、良からぬ企みであることを意味している。僕はそう思った。
突き止めねば。
そう決意した僕は、そっと部屋の扉を開けた。僕の部屋だけ畳なので、音がしないように注意する。
廊下に出ると、音がより鮮明に聞こえた。
廊下の一番奥。パパとママの寝室からだ。
僕は、泥棒のように、足音を忍ばせ、廊下を進む。そして、寝室の前まで辿り着いた。
聞き耳を立てると、はっきりと中から音が聞こえる。間違いなく、発生源はここだ。熱の時にうなされるような声と、ベッドの上で寝返りを繰り返すような音。
息を殺し、中にいる二人に悟られないよう、寝室の扉を数センチだけ開けた。そしてそっと中を覗く。中は豆電球だけで、薄暗かった。
そこで、僕は硬直した。薄暗い部屋の中、『それ』がいたのだ。
怪物だった。
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