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 眠れなかった。当たり前だ。部屋から数歩離れた所に怪物がいるのだ。しかもそこでママが食べられている。助けられず、ごめんなさい。  やがて朝日が昇り、目覚まし時計が鳴ったところで、僕は起き上がった。急いでベッドから出る。  一階へと降り、居間へと飛び込む。そこで、僕は唖然とした。  そこにパパとママがいたからだ。二人共無事だ。なんともない。  僕が居間の入り口でポカンと口を開けていると、パパとママが怪訝そうな顔で僕の顔を見てきた。  これは一体どういうことなのだろう。  僕は混乱した。  それからというもの、僕は、毎日、夜中になる度に、パパとママの寝室に注意を払い、あの音が聞こえないかチェックするようになったのだった。    初めて怪物を見た日から十日ほどが過ぎた頃だった。パパとママは仕事なので、僕はいつものように、施設へと預けられた。二人の仕事が終わるまで、ここで皆と過ごさなければならない。  僕は、午前の手芸の時間に、隣の席にいたアキエちゃんに真夜中の出来事について、相談してみた。  アキエちゃんは怖い話が苦手だ。アキエちゃんは最初、怯えたような表情で話を聞いていたが、次第に真面目な顔で聞いてくれるようになった。  アキエちゃんの出した結論はこうだった。  「怪物を退治しないと」     
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