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 アキエちゃんの言葉に、僕の胸は緊張と恐怖で高鳴った。そう、それはわかっていたのだ。しかし、怪物に対する怖さで、意識しないようにしていたのだ。  僕が怪物を退治する。ママを守るために。  僕は体が震えるのを感じた。  午後になり、お歌の時間が終わった後、僕は再びアキエちゃんに、怪物について質問を行った。  怪物の正体についてだ。  アキエちゃんは首を振った。わからない。ただ、その時だけはパパの姿が消えているということは、パパが何かしら関与しているらしいとのこと。  僕は頷いた。これはもう調べるしかない。敵を倒すには、その敵を知る必要がある。テレビドラマか何かで言っていた。  僕が敵の正体を調べようと決心した時、シンジ君が話しかけてきた。話しかけるとは言っても、それには不快になるような冷やかしの言葉があった。  シンジ君はアキエちゃんに気があるのだ。僕がアキエちゃんと話をしていたのが気に食わなかったらしい。  シンジ君が、なじるような言葉をかけてくるが、僕は相手にしなかった。うわの空で返答をする。それが、シンジ君の逆鱗に触れたようだ。強く罵声を浴びせてきた。  僕の目の前が真っ赤になった。気が付いたら、シンジ君と取っ組み合いのケンカを行っていた。     
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