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僕は、その中から、例の怪物に該当しそうな本を探した。だが、それにかなりの時間を取られた。何せ、相手は正体不明の怪物なのだ。易々と情報を得られるわけがない。
それでも、何とかいくつか本をピックアップすることができた。
その本を持ったまま、読書スペースへ行き、設置されている机に座る。
そして、机の上に本を並べた。
『鵺』『ドラキュラ』『フランケンシュタイン』『キマイラ』
世界各国の、夜にまつわる怪物達を扱った本である。そのどれもが、表紙におぞましいデザインが施されていた。
僕はその一つ一つを確認していく。怖いものが嫌いな僕にとって、恐怖に満ちた本を読み進めるのは、お化け屋敷を一人で歩いていることと等しい。
それでも、一通り目を通し、漠然と怪物がどんなものかわかるようになった。
『鵺』や『フランケンシュタイン』は違う。これは、どちらかというと妖怪やゾンビに近く、夜に怪物として現れる存在には該当しない。
僕が見繕った中で、一番相応しいものは『ドラキュラ』だった。
夜な夜な窓から家の中へと進入し、女の人の生き血を吸うのだ。
僕は、あの夜の光景を思い出した。あれは、『ドラキュラ』がママの血を吸っていたのか。
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