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 真夜中の暗がりで、泣きべそ掻いて探しもの。  探しているのはお星さま。  大きな金のお星さまがひとつ。  中くらいの銀のお星さまがふたつ。  銅の小さなお星さまがふたつと、虹色に光る星屑がいっぱい。  あとは、濃い青のと透明な丸いお星さまがいくつも。  月のない闇の中、一人ぽっちでうずくまり、手探りでお星さまを見つけては、一個一個拾い上げる。  まだ足りない。どこにいったの?  どうして、落としちゃったんだろう?  どうして、見失ったのかしら?  どんなに探しても、お星さまはなかなか見つけられない。  この手から零れ落ちたお星さま。  本当は、お星さまを繋げて輪にして、プレゼントにしたかったの。  なのに、どうしても見つからない。  せめて月さえ出てくれたら、その明かりでお星さまを見つけられるかもしれないのに、意地悪な夜の闇が、私のお星さまだけでなく、月も隠してしまった。  もう、きっと二度とあのお星さまとは会えないし、プレゼントもできないんだ。  月のない夜なんて、大嫌い。  ……大切なものをなくしてしまう自分は、もっと嫌い。
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