眠れない夜

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 楽しかった休日が終わり、俺はまた孤独を感じて憂鬱になる。  日曜日と月曜日の間の夜は1番嫌い。  休みが終わって1週間が始まるのに備えて、皆早く眠りにつく。暇な人が少ない。  ぼんやりとツイッターやLINEのグループトークをスクロールしても更新はない。  深夜0時にまばらに居た人々も少しずつ居なくなり、3時を過ぎた頃には誰も居なくなる。  今夜も眠れない。  月曜日が祝日だという学生に声をかけてなんとなく通話するものの、いまいち盛り上がれず、少しの時間言葉を交わしたのち、用事を思い出されてお開きになった。  やる事や、やらなきゃいけない事は、沢山ある。けれどどれも手をつける気にはなれず、ぼんやりと窓の方向を眺めていた。  ふいに我に返って、色々とやらなくては と無性に焦るものの、自分でも何に焦っているのかわからない。口元がさみしくなり、机の上に視線を落とし右手で宙を探りかけたものの、もう辞めたんだと思い出す。代わりにガムを取り出して噛んでみる。静まり返った部屋でゆっくりと、ガムを噛みしめる行為を黙々と繰り返した。  本格的にすることが何も無い。あったとしてもやる気になれない。ソファーに横になり両足を胸元で抱える。真っ暗な部屋に遮光カーテンの隙間から入る外からの光が、少しずつ明るさを増していくのを、じっと見つめ続けていた目がブレてじんわりと視界がにじむ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!