少女

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少女

 少女は毎日真夜中になると決まって現れて、俺に繰り返し問う。 「お兄ちゃん、私がキライ?」  何度も何度も、少女はニコニコと微笑みながら聞いてくる。姿を現わすたびに少しずつ成長していく。 「だから 嫌いじゃないって」  そう答えると少女は決まって口をへの字に歪め、悲しいのか不満なのか怪訝そうな表情を浮かべてから消えて居なくなる。  何が不満なんだよ。  俺は心の中で舌打ちをする。彼女は俺と違って俺に無いものを持っている。俺が欲しかった、どんなに望んでも叶うことのない温もりの中にいる。……気にする俺がおかしいのか。こだわっているのは自分だけで、これはただの俺の作り出した幻なのだから。俺が1人で思い込んでいるだけなのかもしれない。わからない。眠れない。眠れない。
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