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自分で自分がたまらなく嫌になる。嫉妬や憎悪、怒りに悲しみが混沌として渦巻いて、自分の中にこんなにも醜い感情があったのかと嫌気がさす。悲しい。辛い。誰にも理解されることのない空虚。埋めることが出来るとするのなら、それは――
うっすらと目を開けたら若い女が立っていた。
「お兄さん……」
何度も何度も何度も何度も煩いな、ハッキリ言ってやる。
「わかってるよ。本当はこう答えが望みなんだろう。『お前が嫌いだ』」
俺は両手を彼女の首元へと伸ばし、ゆっくりと締め上げる。女は一瞬驚いた様子でビクッと痙攣して驚いたように目を見開いた後、俺の腕を解こうと両手で必死に押したり腕にしがみついてきた。気にせずに締める力を強めていくと、女の顔はみるみるうちに赤くなり目は血走り、口をパクパクさせたかと思うと、俺の腕に絡みついていた女の手がするりと解けて落ち、首から手を離すと細くて華奢な身体は人形のように床に崩れ落ちた。
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