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恋とは落ちるもの。そんな陳腐な言葉を馬鹿馬鹿しいと嘲笑っていたのは数瞬前までの自分。今、私にはそれを否定する事は出来ず、嘲笑う事も出来ず、ただただ納得するのみ。
ああ、恋とは落ちるものなんだーー……。
自分が落ちてみて初めてその言葉が最も相応しい言葉だったと確信を持って告げる事が出来る。まるで雷に打たれたかのような身が焦げるような衝撃。全身が脈打つかのように強く、大きく、そして今まで感じた事がないくらい速くそれでいて繊細で、儚く打つ鼓動。
私は理解した。恋をしたと。恋に落ちたのだと。一目惚れをしたのだと。
単なる偶然と言うには出来すぎていて、必然と言うには脆く、運命と言うには物足りない。極々ありふれた出逢いと言えるだろう。ただし、漫画や小説の中では。
現実でこんな目に遭うなんて誰が思うだろうか。極々普通の女子高生がテンプレな不良集団に絡まれて、またまたテンプレなヒーローに助けられるだなんて。
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