遠くて近しい君のレビュー

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 ※※※ 「おっ、トゥルーさんも観たんだな」  そこには、いそいでレンタル店に駆け込んだことと、最後の一本をレンタルした感動がつづられていた。 (面白い偶然があるもんだ)  自分達と同じ、最後の一本を観ることができた、画面先の主。  そこに妙なシンパシーを感じてしまうのは、文字だけとはいえ、関わりを持ち続けたがゆえだろうか。 (……そういえば、真希の感想、トゥルーさんにそっくりだったな)  今日の映画を観終えた後、興奮気味に感想を語ってきた幼なじみ。  大人っぽく成長したと感じていた仮面は、映画の面白さの前に、あっさりと崩壊してしまっていた。  そのことをツッコむと、またあっという間に仮面を被るのに、少し怖さも覚えたけれど。 「同じような感想の、幼なじみと、ネットの知り合い。……二人いるって、ありがたいな」  ――「僕も、友人と一緒に観ました。映画もそうですが、誰かと観るのも、やはり楽しいものですね」  そう書きこむ自分自身を、冷静でないと感じながらも、たまにはいいかと平治は感じていた。
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