第1章

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初恋の『は』の字も感じられない毎日だけれど、私は毎日充実してた。 ただ一つ、気になることを除いては――。 気になる事。 それは、普通の乙女ならば、無縁と思われるような内容。そう成長期の事だった。 私は自分にいつ成長期がやってくるのか、それが気になって仕方ない。 おやつが何かを気にかけることはなくなったけれど、 「ママ、成長期っていつくるのかな? 私はいつ成長期に突入するのかな?」 と同じ質問ばかりを繰り返す。 「それは人それぞれだからねぇ……そのうち来るわよ」 ふふッとママは軽く笑って言ったけれど、この悩みは私を長く苦しめることになる。 この時、私は中学一年生、身長135㎝。 いわゆる前から数えた方が早い、どころか……先頭争いをするような位置を常にキープし続けていた。
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