第1章

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一つ年上の姉、樹里(じゅり)は、168㎝の高身長。 手、長っ、足、長っの見上げる美人で、一緒に歩くと私は必ず小走りになる。 どうして同じ姉妹なのにこうも違うのだろうか…… でも待って……よくよく考えてみたら、パパは背が高くて175㎝以上あったような気がする。 ママだって平均女子の身長よりも高めで、お姉ちゃんよりは小さいけれど165㎝以上あったような気がする。 となると――、姉が高いのは必然。 なら、私は? 肩に首が付きそうなくらい、傾げた私の頭の中にハテナマークが広がる。 そしてもう一人。 私の一つ下の弟、海里(かいり)、現在中学3年生。 三兄弟の中で一番下のくせに、何故か一番でかい。身長178㎝のまだまだ勢いよく成長中。 いったいどういうこと? 何故、私だけがこんなに小さいの? まんまのセリフをママにぶつければ、ママはまたも困った顔をしていた。 私だってママを困らせたいわけじゃない。 兄弟みんなが同じくらいだったら、これほどまでには気にならなかったかもしれない。 でも、私以外がみんな大きいから……、だから、コンプレックスになったんだと思う。
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