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「さっき、ごめんね」 「え?」  何も聞かずに、黙って、私が機嫌悪くしても怒らないような優しい至。信用出来る人だって、やっと私の中で理解し始める。  だから、嫌な思いを少しでもさせていたらと思ったら黙っていられなかった。私が悪い部分はちゃんと謝らなきゃいけない。彼に失礼だから。 「私さ、友達いなくて。さっき言ってた……特別とかってよくわからなかったの。目付き悪いし、その……」 「青いから?」 「気づいてたの?」  日本人的な顔に、黒髪。それなのに目だけは青い。  おじいちゃんは金髪に青い瞳を持った外国人さん。つまり私はクォーターなんだけど、両親は日本人らしい髪色と瞳。いきなり青い瞳がうまれてきたら、そりゃびっくりするよね。  近所では最初、養子だとか、浮気して作った子供だとか、酷い噂がたくさんあったらしい。私にとって、とても住みづらい場所。  そんなふうに育ってきたせいか、人と話すのが苦手になった。  話しかけてくれたクラスメイトも怒らせたり、泣かせたりしてしまい、結果的に避けられている。イジメとまではいかないけど、誤解されているみたい。
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