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「気にしなくていいのに」
「気持ち悪いでしょ」
「どうして? 俺、好きだよ。お世辞とかじゃなくてさ」
「嘘」
「嘘じゃない。偽りのない青だからかな。髪染めたり、カラコン入れたり、そういう偽物じゃないってわかるよ。偽らないありす、カッコイイ」
どうして、そんな素直に言えてしまうんだろう。優しいから? 私を見てくれているから?
きっと、今だけ。学校に行けば他の子にもこうやって話すようになるんだろうな。
私の中の冷たい部分が急に溢れる。
私は、特別なんかじゃない……。
「なあ、ありすってどこの高校?」
「教えない」
「えー! こんだけ仲良くなったのに?」
「仲良く? どうかな」
「じゃあ、連絡先教えてよ。これからもいっぱい話したい」
「ダメ」
「ありすってめちゃくちゃガード固いのな」
至は最初に会った時みたいにケラケラ笑う。何が可笑しいのかわからない。
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