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「あ!雉ちゃん!柴ちゃん!おはよう!中々来ないから何かあったのかと思ったよ~。」
人混みの中から小柄な少女がポニーテールをピョコピョコ揺らしながら駆け寄ってきた。今まさに探していた内の一人、僕達の幼なじみであり、SRC部仲間の『桜井 桃』だ。
「あぁ、桃ちゃんおはよう。まさに何かあったんだよ。柴の奴が寝坊して大変だったんだ。」
ジロリ、と僕は柴に視線を向けると、当の本人は、
「うーん、あまりステータスに変化は無いな。・・・ん?おぉ、桃ちゃん!おはよう!!」
スキャニングの結果に頭を傾げていたがこちらに気付き大声で挨拶をしてきた。
「はぁ・・・・。」
「あはは・・は。おはよう柴ちゃん。今日も元気だね。」
僕が溜め息をつくと桃ちゃんが苦笑いしながら柴に話し掛ける。
「おうよ!今日は雉と一緒にこの大会で優勝目指してんだ!テンション上げてかないとな!」
「流石だね柴ちゃん。でも私も負けないよ!」
「おう!望む所だ!!」
「うるさいわよ『ポチ』。周りに迷惑だわ。」
「何ぃ?」
「あ、蛍ちゃん。」
柴と桃ちゃんの会話に突然割り込んできたのは、同級生で同じSRC部、今日の桃ちゃんのパートナー、『倉木 蛍』だ。普段は静かな人なのだが、柴には何故か好戦的で、よく毒を吐く。
柴は蛍に詰めより、口を開く。
「出たな陰湿蛍め、今日もセコイ戦い方を見せてくれるのかな?あとポチ言うな。」
「何度も言ってるでしょうポチ?あれはれっきとした戦略よ。今日は桃ちゃんと組んでるし私達に死角は無いわ。大会の優勝は私達が貰うから。」
柴と蛍は互いに火花を散らして睨み合う。
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