第一章  ソウルリメイクカード

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「相変わらず仲悪いなぁこの二人・・・。」 「あははは、喧嘩する程仲がいいんだよきっと。」 「そういう物かな・・・これ?」 柴と蛍はプレイスタイルも全然違うから相容れない物があるのかも知れない。 因みに蛍は柴の事をポチと呼び、名前で呼んでるのを聞いたことはない。 「いいじゃない、最後はSRCで決着をつければさ!」 「まぁ、僕達はブロックが違うから、対戦するとしたら決勝になるけどね。」 桃ちゃんが体育会系みたいな発言をし、 僕がトーナメント制の対戦表を確認しながら言うと。 「上等じゃないか。おい、蛍。ここでどちらが上かハッキリさせようじゃないか?」 「あら、もう決勝に進出したつもり?途中で負けたらみっともなくなるわよポチ?」 「それはこっちの台詞だ。お前、ここで俺に負けたら金輪際ポチと呼ぶなよ?いいな?」 「えぇ、いいわ。ただし私に負けたらあなた・・・一つだけ何でも言うこと聞きなさい。いいわね?」 「よし、乗った!!絶対に負けねぇからな!!」 火に油を注いだか、変な賭けが成立した。 ・・・負けるフラグじゃなきゃいいんだが。 しばらく二人が言い争い、僕と桃ちゃんはSRCについて話しをし、もうすぐ開会式という時にふと桃ちゃんが。 「あれ?そういえば猿ちゃんはまだ来てないのかな?」 今思い出したかのように呟き、周りをキョロキョロと見渡す。 「そういえば・・・あいつ居ないな?エントリーはしてるはずだけど。まさか、彼奴も寝坊かな?」 「あら、残念ね。桃ちゃんのお供三人組が揃わないなんてね、ねぇポチ?」 「蛍、お前なぁ・・・・!」 「ねぇ蛍さん?お願いだから僕を巻き込まないでくれないかな?雉は雉でも僕は雉猫の意味なんだしさ。」 「あら、いいじゃない別に。せっかく珍しい名前なんだから、あなた達。」 怒る柴と苦笑いする僕に蛍はフフフッと笑みを溢す。 今僕達が話をしている猿ちゃんとは、僕、柴、桃ちゃんの幼なじみ同級生四人組の最後の一人、『尾長 猿彦』だ。彼もSRC部に入っていて僕達は不本意だが周りから、 猿・犬・雉・桃で、桃太郎四人衆と呼ばれている。 「うーん、やっぱりいない。パートナーの子もいないし、猿ちゃんどうしたんだろ?」  桃ちゃんが心配そうにしているが、残念ながら開会式は始まり、第一回戦開始の合図が響き渡ったーーーー。
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