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こうして「ユウキ リント」という、ギリギリを攻める名前に落ち着いたボクは、その名前でこの「大会」らしきものにエントリーされていたわけで。
「コロッセオ」がどんとその中心部にあるこの街の大きさとかは何も分からなかったけれど、えらい活気だ。街を上げてのお祭り……とかなのだろうか。元の世界の地元ではそんな規模のものは無かったので、新鮮だ。
さらにその祭りイベントの目玉らしいこの「最大勇者祭り」(と言ってたけど正式名称は未だよくわからない)に至っては、もう何に対して歓声や怒声を上げているのかも分からないほどの混沌さを巻き孕んでいる。その熱気に呑まれるようにして、僕も少しは高揚してくるかと思いきや、あまりそういうことも無かった。
とにかく、
肝心の試合は「一対多」のパーティバトル形式であって、つまり「対象」となる「敵」が一匹、闘技場に配置され、それを4人とか5人の参加者で囲んで討伐する感じ。
……なのだけれど、審査は個々人の「勇者ポイント」とやらによって為されるということで、要はその敵、いわゆるモンスターじみた奴らなんだけど、そいつらとの戦いの中で、いかに「勇者的行動」を示せるかで、そのパーティ内での勝者が決められるという、何とも何を目的としているのかわからない形式のバトルなのであって。
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