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「じゃあね~。お大事に」 「月曜までには、復活しろよ~」  小池と橋本が手をふって、部屋から出ていく。 「あ~。見舞い、ありがとな……」  ふたりがドアの外に消えたとたん、部屋の中はしんと冷え込んだ。  ふとんを鼻の頭まで押し上げて、目を閉じる。  体が鉛のように重くなって、闇へと落ちていく気がした。  二度と浮きあがることのない、深い闇。 「……ヨウちゃん」  しずくのような声がした。 「ヨウちゃん……寝てる……?」  ……綾?
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