夏が始まる

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修了式の朝に僕は人生最高に勇気を出して彼女に声をかけた。会話したことなんて1度も無かったから、話しかけられた彼女は少し驚いていた。 「僕と一緒に海に行ってくれませんか?」 「海…あなたとね…」 「やっぱりダメかな?」 「どうしてダメな前提なのに提案なんかしたのよ?」 彼女はくすりと上品に笑った。 「だって今まで全然話したことなんか無かったし。それでも君と海に行きたいって気持ちがあって…怖かったけど結局自分の欲に素直になることにしたんだ」 「面白い人ね。いいわ、デートしてあげる。私をとびきり透明で青い空を映したかのような綺麗な海に連れて行ってね?それなりに期待してるわよ。」 彼女の顔は少しだけ赤かった。 僕は「よっしゃー!!!」と思い切り声をあげてガッツポーズした。他のクラスメイトの視線なんか全く気にならないぐらい嬉しくて堪らなかった。
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