夏が始まる

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それからの僕達はLINEを交換して大人しく席に着いた。 僕は先生の話なんか一向に聞かないで彼女とのデートプランを懸命に考えた。気付いたら先生の話は終わっていて、1人教室に取り残されていた。 修了式が終わりクラスメイトがぞろぞろと教室に帰ってきた。次々に学校から立ち去って行く。そんな時に彼女が近寄ってきて、夢中にデートプランを練っていた僕の肩を叩いた。 「ねえ、一緒に帰りましょう?」 彼女から話しかけてもらえたことが幸せで、脊髄反射で頷く。他愛ない話をしながら別れ道まで彼女と歩いた。 その結果僕も彼女もFランク大学で妥協していて、受験勉強など必要ないことが分かった。そして彼女と結構家が近いことも判明した。ウキウキしすぎてすこし早足だったかもしれない。 だとしたらもったいないことをしたな。 家につくと一直線に自分の部屋へ向かった。 机の上に地図を広げて、どこの海が良いかネットの情報も参考にしながら、候補を絞っていく。そしてここしかないという場所を見つけた。ネットに載ってる写真は透明度が高く青い海が延々と続いていた。口コミもかなり上々で期待が高まる。ここにしようと決心して、彼女にどこの海に連れて行くかを写真も添付してLINEで告げる。彼女からはすぐに既読がつき、「いいね」と一言だけ返信が返ってきた。 僕の夏は最高のスタートを切った! きっと夢で見た光景が実現するだろうと思うと、今から楽しみで楽しみで興奮が冷めそうにない。
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