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「え、っと……何をすればいいですか」
「万殊祭の資料から講演会の記録を五年分、抜きだしてくれ。『1』の棚にある」
祐仁は棚の奥のほうを指差した。
そうしながらデスクに向かい、颯天が、わかりました、と答えているうちにパソコンの電源ボタンを押した。
その様子を見ながら、祐仁が颯天に見入ったようだったのは、それこそ自意識過剰だったのだと思い直した。
時生がヘンなことを云うからだ。
……って何を気にしてるんだ、おれは。
内心でぼやきながら、颯天は棚の列に入りこんだ。
十一月にある清道大の学園祭イベント、万殊祭は別に実行委員会が起つが、EAも深く関わるという。
準備に半年もかけるのかとあらためて感心しながら颯天は資料を探した。
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