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難関と云われる私立の清道(しんどう)大学は、様々な業界において有力者となる人材を輩出している。 高井戸颯天(たかいどはやて)は猛烈に勉強をしながら受験に控えていたが、この春、結果的には呆気なく推薦で合格した。 例えば政治家とか起業家とか、有力者を夢見る者は確かにいるが、颯天はべつにそこを目指しているわけではなく、逆になんの目的もない。 だからこそ清道に入れば刺激を受けて、何かしらの目標が見つかるかもしれないと期待している。 入学して三カ月をすぎるとキャンパスライフにも慣れてくる。 雰囲気としては、特別感はなく、適当にすごしている奴もいれば生真面目だったり必死だったりする奴もいる。
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