第1章「偶然の出会い」

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「ということなんで、とりあえず留守番しといてくれるかな」 「いいの?昨日会ったばかりの他人を置いていって」 確かにそれもそうだ。 「じゃあ、私も一緒に行っていい?」 不敵な笑みを浮かべる祐美を見て、嫌な予感がしたのだが、仕方がない。連れていくか。 「早く行かないと間に合わないよ。おっちゃん」 「そのおっちゃんっていうのは、何とかならないか」 「じゃあ、なんて呼べばいいの?お名前知らないし」 「あっそうか!俺は里中裕二」 「じゃあ、裕ちゃんでいいよね」 「裕ちゃんってお前なあ」 この女はぶっ飛んでやがる。こんな年上に向かって裕ちゃんだと。さっきまでの涙は何だったんだ。 「裕ちゃん。早く早く」 「だから、その呼び方やめろって」 「照れてんの?」 「ばかやろう」 こんな調子で、急かされながら家を出た。
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