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「あのー、お知り合いだったんですか」
不思議そうな顔で祐美が聞いてくる。
「先輩、こちらの方は?」
「いろいろあって、付き添いじゃなくて、あのあれだ」
「まさか愛人の方ですか」
「どこの世界に面接に愛人を連れてくる奴がいるんだよ」
その後も、祐美がいたせいか、場はすごく和み、ここまでの経緯を簡単に説明した。
「わかりました。では、お二人とも採用ということで」
「えーっ、本当か!」「えーっ、マジで!」
「ええ、里中さんの人柄はともかく、腕前は知ってますし、祐美さんの明るさは、この店にぴったりだと思いました」
その後、原田の話によると、開店直前になって、料理長を頼んでいた奴にドタキャンされたらしく、人づてに俺のことを聞いたらしい。
そんなことだから、他の従業員のことまで手がまわっていなかったようだ。
「では早速なんですが、明日から研修をやりますので9時に来て頂けますか」
「わかりました」「喜んで」
「お前店間違えてるぞ」
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