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いわくつきの物件だとは思っていたが、まさかの状況に愕然とした。
きっと人形か何かだろう。
いや、酔っぱらいに違いない。
それとも、死んでる?
恐る恐る近づいて行った。
どうやら若い女のようだ。
普段は神も仏も信じていないが、この時ばかりは神に祈りを捧げた。
「アーメン、南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華経」
意を決して肩を叩いてみた。
「おい、おい、大丈夫か」
すると、目を覚ましたようだ。ホッと胸を撫で下ろしたその瞬間、
「おなかすいた」
「何、何だって?」
予想外の第一声に、思わず二度聞きしてしまった。
夜も遅いし、事情も聞きたいので、その女を家の中に引き入れた。
とりあえず何か食べさせよう。話はそれからだ。
ガツガツガツ
モグモグモグ
ゴホンゴホン
丼めしを高速で口の中へかきこみ、吐きそうになっている。
「ちょっとお前、落ち着いて食え。誰も取りやしねえから」
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