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ようやく給料日を迎えた。三人で暮らすともなると出費もかさんでいたので、正直助かった。
「お姉ちゃん、初めてお給料頂きました。感動です」
「良かったね。私は、余計なもの買っちゃったから、後1ヶ月ただ働きみたいなもんよ」
「お姉ちゃん可哀想、私も半分出すから、元気出して」
「それにお代官様にも年貢を納めないといけないし、この身を差し出しても、祐衣ちゃんは私が守るから」
「お姉ちゃん、ありがとう」
「辞めろ辞めろ、その猿芝居。それに誰がお代官様だ」
この前の俺の誕生日以降、自分達が優位に立ったような言動と振る舞いが続いている。
きっと奥さんと娘の三人家族のお父さんは、こんな感じなのかと思うと、ただただ敬服するばかりである。
「年貢の話はもういいから、せっかくの初月給なんだから、お母さんに何か買ってあげたらどうだ」
「裕ちゃん、珍しくいいこと言うじゃない」
「珍しいって何だよ。なあ祐衣」
「そうですね、考えておきます。それじゃあ、おやすみなさい」
祐衣が部屋に戻って行く様子を見ながら、祐美が感慨に耽っている。
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