第5章「突然の告白」

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「何か引っ掛かってんのよね」 「どうしたんだ」 俺には何を言ってるのか意味がよくわからかったが、 「私とオーナーが一緒に裕ちゃんのプレゼントを買いに行ってたでしょう。その帰りに偶然祐衣ちゃんと出くわしたのね。その後、なぜか泣きながら逃げちゃって、どうしたんだろうってずっと思ってたんだけど」 どうしたんだ。少し間をおいて何か思い付いたようだ。 「あれはオーナーに対しての気持ちでああなったんじゃないかって」 「それってどういうことなんだ?」 「祐衣ちゃんはオーナーのことが好きなんじゃないかってこと」 「でも歳が離れすぎだろう」 「恋愛に歳の差なんて関係ないの」 真顔でそう言われると、俺に対して言ってるのかと錯覚してしまうだろうが。 「だったら、直接聞けばいいだろう」 「あの娘、そういうことだけは、頑なに言わないのよね」 仲のいい姉妹とはいえ、微妙な関係性があるんだと思っていると、 「ねえ、オーナーの女性関係はどうなってるか知らないの?」 突然そんなこと言われても俺が知ってる訳ないだろう。 「それとなく聞いてみてよ」 「聞いてどうするんだよ」 「いいから」 あまりにもしつこいので 承諾した。
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