第5章「突然の告白」

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早速次の日、オーナーを誘い出した。 「珍しいですね。二人で飲もうなんて」 「ほらこの前の礼をしてなかっただろう」 我ながらうまく切り替えせたが、どうやって本題にもっていこうか。 「そういえば、美奈子さんとは会ってないんですか?」 美奈子とは7年程に別れた前妻のことで、前の店で一緒に働いていたのでオーナーもよく知っている。 「一年以上会ってないよ」 「そうですか。じゃあ再婚相手と最近別れたといのはご存知じゃないんですか」 「そうなのか。まあそのうち連絡来るだろう」 一年程会ってないのは、再婚したからであるのだが、こんなに早く別れるとは、何があったんだろうか。 「そんなことより、オーナーこそ結婚は?」 ちょうどうまく話が切り出せた。 「二人の時は原田でいいですよ」 「今さら原田って呼び捨てにするのもなあって、話をそらすなよ」 「結婚はまだしてませんし、予定もありませんよ」 「昔からずっともててただろう。いつでもできたんじゃないのか」 「確かに若い時はそうでしたけど、何か仕事の方に夢中になってしまって」 「そうだなあ。自分の店を持つのが夢だってずっと言ってたもんな」
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