第5章「突然の告白」

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「それで何をやればいいんだ」 「また私達が喧嘩するの。そうしたら祐衣ちゃんは困ってオーナーに相談する。二人の仲が深まる。どう、いい作戦でしょう」 思った通りふざけた作戦だ。 「そんなことでどうにかなるのか」 「じゃあ、明日から宜しく」 俺の意見には全く耳を貸さないようだ。 翌日、早速仕掛けてきた。 「ねえ、私のプリン食べたでしょう」 「知らないよ」 「祐衣ちゃんはプリン嫌いだから食べる訳ないし、裕ちゃんしかいないじゃない」 祐衣にわざと聞こえるように言ってるいるのだが、こっちを見て笑っているように見える。 小声で祐美に呟いた。 「おい、今まで激しい喧嘩してきたのに、プリンが原因って弱くねえか」 「最初はこういう些細なところから始まるんだって、ほらこっち見てるから続けて」 「おう、食ったよ。それの何が悪いんだ」 「もう楽しみにしてたんだから」 不自然さに勘づいたのか、祐衣が近寄ってた。 「お姉ちゃん、プリンがそんなに食べたいなら、私が帰りに買ってきてあげるね」 「あ、ありがとう」 「じゃあ、お先にお仕事行ってきます」 喧嘩のふりするのはこんなにも難しいとは。
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