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店でも作戦は続く。
「4番テーブル、通ってないんだけど」
「ああ、すまんすまん」
「何謝ってんのよ、馬鹿」
「ああそうか、それはお前のミスだろう」
「人のせいにしないでよ」
この不自然なやり取りに、木内が片桐に呟いた。
「なあ、4番ってチェック終わってるよな」
「そうだと思うけど」
「だったらあの二人何やってんの?」
「わからないけど、新しいゲームじゃない」
祐衣どころか、他の奴らにも、俺たちが遊んでいるようにしか見えないようだ。
午後からは、方針を変えて全く無視するようになったが、誰も何とも思ってないようだ。
翌日、仕事は休みだった。
「お姉ちゃん、ママへのプレゼント何がいいかな?」
「祐衣ちゃんの初月給なんだから、自分でいいなって思うものにすれば」
「じゃあ、そうする。ついでにプリンも買って来ようか?」
「もう要らないから」
「いってきます」
祐衣が出かけたところで、
「ねえ、演技が下手過ぎなんじゃないの」
「俺のせいか」
「じゃあ、誰のせいよ」
「あ、俺も出掛けてくるわ」
「逃げる気、卑怯者」
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