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これ以上文句を言われたくないので、さっさと家を出た。
それと今日は前妻の美奈子と会う約束をしていた。
オーナーの話が気になったので、俺の方から連絡を取っていた。
「おう、久し振りだな」
「何よ急に、誰かから聞いたんでしょう?」
「まあそうだけど、今度は大丈夫だって言ってただろう」
「やっぱり私には結婚は向いてないみたい」
少し心配していたのだが、明るく話す様子を見て、安心した。
別れてから10年近く経つと、もはや元夫婦というよりか戦友のような気持ちで話は尽きなかった。
そして、そこに祐美の姿があったのは後々になってから、わかることになる。
「お姉ちゃん、このペンダントかわいいでしょ。ママに似合うと思うんだけど、どうかな?」
「いいんじゃない」
「どうかしたの?」
「別に、疲れたからもう寝るね」
その後、俺が帰宅すると、
「裕ちゃんさん、お姉ちゃんの様子がおかしいんだけど 」
「放っとけばいいんだよ。あんな奴」
まだ例の作戦が続いてると思い、そう祐衣に言い放った。
この後怒涛の展開を知る由もなく。
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