第5章「突然の告白」

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「木内君、私の顔に何かついてる?」 「いえ、何も」 「片桐君さあ、お客さん待たせ過ぎだよ」 「すみません。急ぎます」 どうも店の中は大荒れだ。 皆も呆気にとられているようで、俺も気合いを入れて望まねばと、祐美に詰め寄った。 「何を苛ついてんだよ」 「うるさい、おっさんは黙って料理作ってればいいんだよ」 あまりの迫力に殺気を感じたので、怯んでしまった。 午後からは落ち着いてきたようだったが、 「健ちゃん、頭痛いから早退していい?」 「どうぞどうぞ」 「ねえ、お姉ちゃん大丈夫?」 無言のまま、祐美は店を後にした。 ちょっとやり過ぎじゃないかという振る舞いに、祐衣は心配そうである。 オーナーもそんな祐衣の様子に気付いたのか、話し掛けているようだ。 ある意味、祐美の作戦は当たらずも遠からずといったところではあるが、あまりの急変振り俺も困惑している。 帰宅すると、さらにエスカレートしていった。
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