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「木内君、私の顔に何かついてる?」
「いえ、何も」
「片桐君さあ、お客さん待たせ過ぎだよ」
「すみません。急ぎます」
どうも店の中は大荒れだ。
皆も呆気にとられているようで、俺も気合いを入れて望まねばと、祐美に詰め寄った。
「何を苛ついてんだよ」
「うるさい、おっさんは黙って料理作ってればいいんだよ」
あまりの迫力に殺気を感じたので、怯んでしまった。
午後からは落ち着いてきたようだったが、
「健ちゃん、頭痛いから早退していい?」
「どうぞどうぞ」
「ねえ、お姉ちゃん大丈夫?」
無言のまま、祐美は店を後にした。
ちょっとやり過ぎじゃないかという振る舞いに、祐衣は心配そうである。
オーナーもそんな祐衣の様子に気付いたのか、話し掛けているようだ。
ある意味、祐美の作戦は当たらずも遠からずといったところではあるが、あまりの急変振り俺も困惑している。
帰宅すると、さらにエスカレートしていった。
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