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「裕ちゃん、ずるいよ。奥さんが可哀想だよ」
「お前の言う通りだ。あそこで俺が怒鳴り散らせば良かったんだよな。でも、もうお互いに心が離れてたのかもしれない」
「私みたいにすぐぶつけられたら良かったのにね」
「でも今じゃあ、結婚してる時より何でも言える間柄にはなったんだけどな」
俺の言い回しが気になったのか、
「けどって?」
「また離婚したって、連絡なかったからな」
「そりゃそうでしょう。奥さんにだってプライドがあるんだから、自分からは言い出せないよ」
どこ目線で語っているのかよくわからないが、気持ちは理解しているようだ。
「だから、お前が心配している復縁なんてないってことだ」
「いつ私が心配なんかした。馬鹿なんじゃないの」
この前酔っぱらって言ってたくせに、忘れているのか照れ隠しなのか、そうこうしているうちに日が暮れかけてきた。
「そうだ。今日この近くで花火大会があるって」
川沿いに近づくにつれて人が集まってきている。
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