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午後にやってくる虚無感。
心の臓がまだ動いている。
タイピングの音が響く。
不協和音が溜まってゆく。
アルコールの余韻が残っている。
5パーセントの度数が血管に流れている。
紫煙を曇らせる。
嫌われる臭いが充満する。
ゴミ箱に入り切らない程の空のパック飲料が散乱している。
使うからいいか。
自律神経が死んでいた。
でもなんとか立ち直す。
テーブルの人形の手がない。
相当な神経を使うから避けている。
しかし愛らしい。
完全体ではないこの子が可愛くて仕方ない。
羨ましい。
例え中身が空っぽでものも云わぬ未完成の子が無償の愛を受けているのだから。
俺の矛先はどうだろう。
見えない。
一つは消えた。
もう描けない。
ならこっちか。
それともあっちか。
検討もつかない。
誰かを追いかけていた。
草木が身体に当たっても気にせず。
あの名前は捨てた。
継ごうなんて馬鹿げていた。
そうか。
空っぽになったのはそいういうことか。
一に戻っただけ。
でもどうしたら埋まるのだろうか。
大声で歌う。
隣の部屋まで響いているだろう。
五月蝿いだろう。
仕方ない。
そういう人間だ俺は。
描くか、歌うかしかないのだ。
昔から。ずっと。
苛ついても仕方ない。
お互いそうなのだから。
最近、言葉のキャッチボールが下手になった。
言葉の配置がおかしくなった。
苛ついても仕方ない。
壊れているのだから。
壊れた相手に話してかけてもまともな返事を求めないでくれ。
ギターを弾く。
多少、移行が楽になった気がする。
褒めてくれる人はいない。
自分が自分を褒める。
自画自賛。
自己満足。
いいじゃないか。
自分を自分を認めているだけなのだから。
迷惑なものか。
耳障りなら耳を塞げ。
何も無いんだ。
廃人のなりかけなんだ。
こっちは。
布団に潜る。
今日も疲れた。
今夜も来るのだろうか。
また最近見かける。
乗っかってくると重い。
あの顔の白く目の下にクマがある真っ黒な女の子は何故やってきたのだろう。
また来るのだとしたら恐怖を受け入れよう。
老婆も男もその女の子も同じく真っ黒だ。
また来るのだとしたら連れてってもらおう。
空洞の暗闇へ。
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