英雄の国絶対この手で滅ぼすマン

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いつも真っ暗なこの国のさらに暗い夜中の時間。 俺はこの国と英雄の国へのたった一つ通じる扉の井戸へ来ていた。 懐かしい。 ここでじじいに拾われて、じじいに育てられ始めたんだっけか。 じじいはこの世の誰よりも優しかった。 どこのだれか知らねえ首輪つけたガキを拾ってくれたんだ。 だけど第一声はひどかったな。 「SMプレイか?わしはM専でのぉ」 だった。 その当時の俺にはわからなかったが、遺書で丁寧に説明してくれた。 そんな10歳でSMプレイという意味を知った俺は、井戸の底を見ていた。 なにも見えなかった。 こんなとこに4歳の男の子を落とすやつの神経ってどうなってるんだろうか。 でももう死んでしまったんだからわからない。
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