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青木
8月26日(日)
青木マコトは目を擦った。
青木は新宿警察署の刑事だ。
階級は巡査部長。
『シルバースターグロール電子』
このダイイングメッセージは、新宿中央公園のテントの中で死んでいた、ホームレスが握っていた紙切れに書かれてあった。
身元は不明、病死と判断された。
この炎天下だ、無理もない。
「犯人は誰なんでしょうかね?」
「フンッ、派遣は黙ってろよ?」
白石警部補に睨まれた。警察組織にも派遣制度が存在する。過去に問題を起こしたことのある捜査員への救済措置だ。そして、コードネームとして『青』をつけることを義務づけられている。
青木は去年、起きた赤城組の組長殺しで、赤城組に潜入していたが赤城の愛人の桃華と肉体関係をもってしまった。乳首が黒ずみ、陰毛は剛毛だった。バキュームフェラでイカされ精液を大量に吸い取られた。さらに桃華は謎の死を遂げている。
青木はシルバースターって派遣会社を媒介し新宿署に出向していた。グロール電子はシルバースターの取引相手だ。
「オイ、チオビタ……シルバースターに行ってこい」
白石に命令された。
チビでヒーローオタクだから、チオビタ。
『光戦隊マスクマン』は特に好きだ。
「先輩は?」
「飯でも食べるかな?派遣が飯を食うなんて100年早いんだよ」
きな臭い。青木は派遣仲間の青島を連れていくことにした。踊るの青島とは似ても似つかないデブだ。
「敵地に踏み込む前に飯食べましょうよ?」
青島もシルバースターから出向している。捜査情報を殺人犯に流していたのだ。
「腹が減っては戦は出来ぬ」
デイリーヤマザキでパンやらおにぎりやらを買って店先で食べた。青島はスマホを持ちながら変な動きをしている。
「気でも狂ったか?」
「話しかけないでください!よっしゃ!アオオニを捕まえた」
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