12人が本棚に入れています
本棚に追加
***
「あれぇ? どこ行ったのかなぁ?」
彼の声が、少し開いた窓の隙間から漏れてくる。
「レイラちゃん?」
「うん。キミに会わせたかったんだけど……」
「あ。ここ、窓開いてる」
開け放たれた窓から覗く愛しい顔を、路地の陰からそっと見上げる。
「ほんとだ。逃げちゃったのかな……」
「案外、あなたに恋してたりして。だから行方をくらましたとか」
「猫が? まさか。おとぎ話じゃあるまいし」
「さあね。どうだか」
***
最初のコメントを投稿しよう!