幸せの音色

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*** 「あれぇ? どこ行ったのかなぁ?」 彼の声が、少し開いた窓の隙間から漏れてくる。 「レイラちゃん?」 「うん。キミに会わせたかったんだけど……」 「あ。ここ、窓開いてる」 開け放たれた窓から覗く愛しい顔を、路地の陰からそっと見上げる。 「ほんとだ。逃げちゃったのかな……」 「案外、あなたに恋してたりして。だから行方をくらましたとか」 「猫が? まさか。おとぎ話じゃあるまいし」 「さあね。どうだか」 ***
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