月明かりの下 出会った君は

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「ここにいる間毎日泳いで鍛えたら?」 かっこわりー。結局いいところを見せられずに馬鹿にされてしまった。 「そうするわ、まじで」 「じゃあ明日も来る?」 「来るよ。水着とタオル持って来る」 「見に来てもいい?」 「いいけど、かほも泳ごうぜ。水着とタオル持って来いよ」 「んー、考えとく」 「なんで?別に俺下心とかないよ?」 「やっぱやめるわ、ばーか」 「いやないからまじで」 ここまで否定するのも失礼か?自分でも不思議なんだけど、かほが相手だとぽんぽん軽口が出てしまう。 なんか初めて会った気がしないんだよな。 「じゃ、帰るね」 かほが立ち上がって言うので、慌ててプールから上がった。 「送って行くよ、危ないから」 僕がプールの向こう側に脱ぎ捨てた服とサンダルを取りに行こうとすると 「いいよ、反対方向だから。また明日ね!」 そう言ってかほは走って行ってしまった。 「あ、おい」 僕が振り返った時には姿が見えなかった。
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