月明かりの下 出会った君は

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翌日、昨日と同じ深夜一時。 僕は膝丈の水着の上にTシャツを着て、肩にタオルを掛けて小学校のプールのフェンスをよじ登った。 プールに近付くと、反対側から声が聞こえた。 「キョン!」 見るとかほが手を振っている。 「よっ」 「今日は準備万端?」 「ばっちり。かほもちゃんとタオル持って来た?」 「だから私は泳がないってば」 「気持ちいいのに。本当は泳げないとか?」 「そんなことないもん!泳げるもん!」 「じゃあ競争しようぜ。向こうまででいいから」 「それは無理。キョンに勝てるわけないし」 「大丈夫。手加減してやるからさ」 「まじでいいから。今日は何を見せてくれるの?」 「え、そういうシステム?じゃあ今日は平泳ぎでいくか。あ、ゴーゴルも持って来たんだ。昔のだからちょっとキツいけど、ないよりましだから」 僕は首に掛けていた水色のゴーグルを装着して見せた。 昼間じいちゃんちのおもちゃ箱の中から発掘したものだ。 「やっぱり水の中で目を開けるの怖いよね」 「怖いより痛いかな。塩素が目によくないから、プール上がったら目を洗うって学校で習っただろ?」 「そんなのもう忘れちゃったよ。さ、早く見せて」
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