真夜中に叫ぶ

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叫べ? 叫べ? 叫ぶ? あ、そうだ。 引きづられ、ベッドに投げられた。 カーテンの隙間に向かって、わたしは思いっきり叫んだ。 殴られても叫び続けた。 痛い! 止めて! 殺される! 突然インターホンの音が鳴り響いた。 館長は首を絞めている手を緩めた。 もう一度鳴った。 「警察だ!開けなさい!」 「ひぃっ」 館長が悲鳴を上げた。 フラフラとベッドから這い出し、壁で光っているインターホンの受話器の前を通り、震える手で玄関の鍵を開けた。
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