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PCのディスプレイの明かりに気づく。
ユキオ: 大丈夫?
しばらく、ぼおっと光る画面に映るその文字を見つめた。
「私、あなたに会ったことある?」
ユキオ: あるよ
わたしが知ってるユキオ?
記憶の隅々を探っても、わたしが知っているユキオは見当たらなかった。
「会ったことあるの?」
ユキオ: うん。話したことはないけどね
わからない。だれ?知りたい。
ユキオ: ヒントは、図書室。きみは図書係で、僕は常連だった
図書係って中学の時?
「わたし変装してたし……なんでわかったの?」
ユキオ: ノートに、カエルのマリアンナって童話を書いてるの見たことあって、ある日なんとなく検索したらここを見つけたんだ。
カエルのマリアンナって話を、確かに書いていた。
そして、ここのユーザーネームにしていた。
思い出したのは、あの頃図書室が唯一ほっと出来た場所で。
そして放課後、いつも遠くのテーブルにいた男の子……。
話したことはなかったけど、彼がいるとひとりぼっちじゃない気がして寂しさが和らいだ事。
ユキオ: 明日、病院に行った方がいいよ。専門外だけど、たぶんもっと酷くなるよそれ
「うん。明日病院行く」
また、話したい。
「あの……ありがとう。あなたのおか……」
言ってる途中で配信時間が終了してしまった。
明日、また来てくれるといいなあ。
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