真夜中に叫ぶ

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館長があの日以来、やばい。 本を探すように言われたので書庫で探していたら、後ろから突然抱きつかれ胸を揉まれた。 なんとか逃げ出し、以後は細心の注意を払った。 「最近、元気ないっすね」 顔を上げると、純朴そうな青年。 仕事帰りによく立ち寄るこのコンビニのバイトくん。 「ちょっと仕事でいろいろあって……」 もうこのコンビニに来るのやめよう。 「大変すね。1,434円になります」 お釣りを受け取る時、微かに手を撫でられたうな気がした。 でもすぐに自意識過剰を恥じた。 「ユキオくん、在庫チェックしてくれる」 「うぃーっす」 店を出る瞬間に聞こえた。 もう、この店に来てはいけない。 心の中で警報音が鳴った。
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