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やがて、その人物はカズマにとって、大事な人の一人になったみたいだ
カズマが遅くまで残ることが増えた
もやもやとした感情がわいてくる
しかし、嫉妬という言葉は使いたくなかった
それは一度は蓋をした感情を引っ張り出すことに他ならないからだ
それに、男に対して嫉妬することが、トモカにとっては、認めがたいことだった
せめて、カズマが興味を示した相手が、学年一の美少女とかなら素直に振るまえたかもしれない
そんなもやもやを抱えたまま、1年と半年が過ぎた
1学年上のその男は進学校に進んだ
この時ばかりは、トモカは自分の学力の低さを喜んだ
また、カズマも同じような成績だったことも嬉しいことだった
これで、あの男と離れられると
しかし、トモカはカズマを侮っていた
カズマの成績がみるみる上がっていくのである
トモカは思い切って問い詰めた
予想はしていたが、最も聞きたくない答えが返ってきた
あの男と同じ学校にいきたい、と
ここで初めて、トモカは認めた
自分の中にいつのまにか生まれていた負の感情を
だれも触れたことのない奥底でふつふつと燃えている嫉妬を
トモカは決心した
カズマを振り向かせると
どんな手を使ってでもカズマの心を手に入れると
トモカは早速幼馴染としての立場をフルに利用し、毎日一緒に勉強をした
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