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我、ここに有り
降りたそこは、新開発地区予定の
まだ工事に取りかかる前のだだっ広い平地だった
前衛が頑張ったおかげで橋手前で足止めができた
100m先に人らしい黒い影の様なものが炎のように
ゆらゆらと動いていた
・・・・・コロ・・・・・
「えっ?」
インカムから響くいよなの指示
『大志君!気持ちを引き締めなさい!!
じゃないと死ぬわよ!!』
黒い影が大志の顔を覗き込みにやぁと微笑んで来る
「ソノ 心臓 チョーーーーーダーーーーーーいいいい」
「させるかよ!!!!!
1マグナム!」ドンっ!!
尊汰の日本刀から銃声がなる
「一閃 (いっせん)!!」
雷光が一直線に走る様に光の線が見えた
尊汰の日本刀が黒い影の胴をつらぬく
「お前は、死にたいっちゃね
死にたいなら止めはせんが
せめて心臓は、取られんで」
邪鬼にとって人間の心臓は、
価値がある
霊力が高ければ高い程、
その心臓を食らえば邪鬼は力を得る
殺されてもいいが心臓だけは、渡すな
死を覚悟したときは、心臓を自らの手でつらぬけ
それが一番最初に教わったことだった
『尊汰!誠!磨結!3人で陣形を組んで
大志をサポートしながら邪鬼の殲滅
あなた達ならできるでしょ?
大志に見せてやりなさい
祓魔の力を』
いよなの指示に3人がにやつく
『大志!しっかり!!
武器を出しなさい
ここが正念場よ
今後、あなたはここで戦っていくの
しっかり自分の仕事をこないなさい!!』
インカムから聞こえるいよなの声に
背中を叩かれた気がする
深く息をすって
心に落ちるように唱える
「こい。翠童子(かわせみどうじ)」
大志の胸のあたりから黒と緑の炎があがり
その炎が大志の手の中で形状を替え
鎌となっていく
そこにいた三人がその光景に
苦なのか笑っているのかわからない表情をする
「おかしいやろ
噂には、聞いたっちゃけどチートやなか?」
「あんな大鎌、出しといて
戦場慣れしとらんってどーゆこっちゃねん
ホンマ、腹立つわ」
大志が大鎌を振り上げる
「いくよ!翠童子!!
翠連舞(すいれんぶ)!!」
大志がふり下げた大鎌から
細かく小さな小鳥の形をもした黒緑の炎の
弾丸が邪鬼を襲う
「きええええええええええええええ!!!」
邪鬼の周りが炎に覆われる
邪鬼と交戦していた尊汰と誠が上手くかわしていく
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