1章 出会った日

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1章 出会った日

人は無力な生き物だ。 どんなに叶えたい夢があっても 叶うのは一握りの人だけのように 人は生まれた時から人生は決まってる。 限られた時間の中で人は人生の選択を 強いられながら生きなくちゃいけないんだ。 もしも人生に答えがあるならどれが正しかったんだろう。 俺はどの選択を間違えたんだよ。やり直したいよ あいつが居なくならなくていい道があったなら…      ーミーン、ミーン、ミーーンー 蝉の声、生暖かい風、蒸される様な暑さの8月。 「あっちぃなー、何で俺がプール掃除担当なわけ?」 最初に声を荒げたのは俺 【筒下 冬】17歳 「仕方ないじゃん、じゃんけんに負けたんだから」 一緒にプール掃除をしているのは 中高と同じの【新藤 双葉】 冬「まず夏休み前の この時期にプール掃除て意味あんの?」 双葉「ほら、先生言ってたじゃん。夏休みの間 市の子供たちがプール使える様に掃除するって」 冬「あー何か言ってた様な言ってなかった様な   とにかく暑すぎるんだよ!ちくしょ」 双葉「うん。そだねー夏だからねー」 汗で制服のカッターシャツが張り付くのが分かる。 毎年夏休みともなれば、県内で 一番大きいプールに大人、子供は集結して 田舎の過ごし憎い夏を乗り切っているのだが 今年は改装工事とかでプール開きが1週間ほど遅れる それで県内の高校の何校かがくじ引きで プールを無料で貸し出すってことになったらしくて 見事にうちの高校が抽選で大当たりした そしてなぜか掃除当番に抜擢されたのが高2の 6クラスある中でなぜか俺のクラスが抽選で選ばれて そしてそして、クラス全員で じゃんけん大会が行われ、 ものの見事に俺と双葉が抜擢した。 なぜこうなる…。 全校生徒の中から俺ら二人が当たる確率って… えっと全校生徒が約600人居たとして… その中の俺と双葉だろ… まて、その前に県内の高校か…えっと何校だっけ。
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