66人が本棚に入れています
本棚に追加
まるで刻み付けるように身体の奥底を何度も貫かれ、余りの激しい快楽に身体が限界を迎える。サーシャは最近こうして俺が気を失うまで抱く事が増えた。抱き殺されるのではないかと不安になる事もある程。
身体の弱い俺にとっては、年に似合わぬこの絶倫はとても困る。
掠れた声でひたすらに赦しを請い、朝を迎える。何度目か繰り返しているが日を増す毎に彼の狂気は俺の心も身体も傷付けてゆく。
俺と同じ位、天羽さんを大切に想うサーシャ。その天羽さんを愛してしまった俺と、無言の抵抗を続ける彼────。俺たちは誰かを想いながら、傷付いてゆく。
あの日から、窓は閉まりきったまま。サーシャの哀しみも癒えぬまま。俺の心も、彼を求め続けている。
二十二年目の、夏が訪れた。
最初のコメントを投稿しよう!