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もっと上手く立ち回れないものなのだろうか。このままでは天羽さんへの想いばかりが膨らみ続け、サーシャの愛に首を絞められ窒息してゆくばかりだ。
そんな深い思考を断ち切るが如く、サーシャは思い出したように口を開いた。
「そう言えば私宛に手紙が届いていたよ。随分と前だけれど。読むかい?」
天羽さんからの物だと決め込み慌てて駆け寄る。手渡された手紙を開くと、見たこともないようなロシア語が並べられていた。当然、一文字も分かる筈はない。
「読めないよ」
突き返した手紙を受け取ると、サーシャは仕方が無いと言った様子で読み上げてくれた。
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